ごあいさつ
NPO法人子ども美術文化研究会とは、自然とのかかわりを重視した自由な環境の中で『子どもの文化は美術文化』との共通認識のもと、遊びや造形活動、そして描画活動に積極的に取り組んでいる全国各地の保育園で構成されています。
現代美術作家の長谷光城氏を中心に保育実践を深め、研修会や子どもの絵の展覧会を企画・開催しています。
沢山の方々に子どもたちが生み出した絵や遊び(=造形活動)の素晴らしさに触れて頂きたいと、平成22年11月、それまでの保育実践から生まれた子どもの遊びや絵のデータを持ち寄って本を作ることになりました。
その際に起ち上げたのが『子ども美術文化研究会』です。
平成24年3月に福井県、岐阜県、愛媛県、徳島県、鹿児島県、熊本県の実践を元に、『子どもが生み出す絵と造形~子ども文化は美術文化(エイデル研究所)』を出版しました。
平成25年度より『いのちかがやく子ども美術展』in TOKYOを開催、NPO法人としての活動を始めました。平成27年8月には小規模ながらドイツベルリンのこどもミュージアムで展覧会と自由画のワークショップを行い、平成28年6月から7月にかけて上海梧桐美術館で日中児童作品交流展に参加する等、活動の場を拡げています。
NPO法人 子ども美術文化研究会
理事長 福岡 得史
活動方針
子どもたちの「センス・オブ・ワンダー」 と「美術文化」
乳幼児期の子どもたちは、遊びを通して心と身体が丸ごと育ちます。
特に自然体験は子どもたちの情動に働きかけ、感情を形作ることを助け、身体全体を通して体験する知的活動への喜びを深めます。子どもたちは、自然に抱かれる体験や自然素材との豊かな関わりの遊び中で、「気持ちいいな・きれいだな・なぜだろう・不思議だな・すごいな・こうしたらどうなるだろう」等の体験を積み重ね、活動意欲を高めていきます。
だから、子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激に満ち溢れています。
子どもたちの自由で豊かな遊びは、彼ら自身の豊かな感性の土壌を耕し、その遊びの痕跡は、結果として素晴らしい造形作品となります。また、豊かな造形活動を体験した子どもたちが描く絵は、生命力に溢れ、私たちを圧倒します。
子どもたちは、自然との関わりを通してその内面に新しいイメージをファイルし、遊びが深まるにつれ新しく上書していきます。それらを造形活動や描画活動により表出することで、さらにイメージが整理され深まり、それがまた新しい遊びや表現へと繋がっていきます。
こうして子どもたちが自由に自然と関わって豊かな美術文化を生み出し、繰り返し体験していくことで、身体的装置が機能するようになり、想像力が育まれます。
この、美術文化の体験の深まりが基礎となり、逞しさやしなやかさを備わらせ、これ以降獲得していく文字文化や知性の世界をより豊かに花開かせていくと考えます。